My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】


「この曲?」
「そう。俺の渾身の新曲!」

 演奏に力が入る。流石の表現力に鳥肌が立つ。
 それはとても叙情的で感動的なバラードで、じんわりと胸に染みわたった。
 曲が終わりを迎えて私はパチパチと大きな拍手を送る。

「素敵な曲……どんなイメージで作ったの?」
「んーー、遠い場所にいる大切な人へ贈る歌って感じかな?」

 どきりとする。

「そう、なんだ……」

 笑顔がぎこちなくなってしまったかもしれない。
 響ちゃんはそんな私に訊いた。

「歌詞、すぐに出来そう?」
「……うん。やってみる」

 言うと響ちゃんはにっこりと笑った。

(遠い場所にいる大切な人へ……)

 もう一度同じ曲が始まって、私は彼の視線を受けて歌い始める。