指は動かしたまま言った彼に、私は照れながら笑う。 「歌は昔から好きだったけど、ずっと自信がなかったんだ。でも……欲が出ちゃった」 それは、あの旅のお蔭だった。 歌を世界中の子供たちに教えたい。それが私の今の夢。 世界中というと大袈裟かもしれないけれど、その夢のために今私は歌の先生を目指している。 でも勿論簡単になれるものではなくて、だから今は一生懸命勉強中だ。 「欲張りでいいじゃん。華音なら絶対、良い先生になれると思うし」 「ありがとう」 と、そこで曲調が変わったのがわかった。