すぐに起き上がった彼は目の前で微笑むエルネストさんに向かっていつものように怒声を上げた。

「とっととオレの呪いを」
「呪いは今、解いてあげたよ」
「――は?」

 怒った顔が固まる。

「なに!?」

 そしてセリーンが顔色を変えた。

「ちょっと待て、聞いていないぞ! 解呪にはカノンの歌が必要なのではなかったのか!?」

 そんな悲鳴が響く中、ラグは狐につままれたような顔で額に巻いた布を取った。アルさんが笑顔で頷く。

「あぁ。印もちゃんと無くなってる」
「わ、私は信じないぞ、あの子にもう会えないなど絶対に信じないからな!!」
「うるせぇ! てめぇは黙ってろ!!」

 ショックを受けている様子のセリーンに、ラグがいつものように怒鳴って。