「昔はね、セイレーンたちはこういう場所で歌って世界中にその歌声を届けていたんだよ」
「だから、『楽園』か」
それまで黙って聞いていたグリスノートが興奮したように声を上げた。
「そう、まさに楽園だった。ブゥの仲間たちや君の相棒であるコロコロドリたちもたくさんいて、それはそれは美しかったよ」
「くそ、見てみたかったぜ」
「――なら、7年前にラグの術が暴走しちまったのも」
「!?」
アルさんの硬い声に皆が息を呑み、眠ったままのラグを見た。
彼の凄惨な過去も、原因がこの場所にあったのだとしたら……。
エルネストさんが静かに答える。
「そうだね。可能性は十分にある。でも7年前僕はまだ眠っていたから、詳しいことはそこの彼に訊いた方がいいんじゃないかな」
彼が視線を向けたのはアジルさんだった。



