彼が悲しく笑う。
「だから僕はこの世界を破滅させる歌を作ったんだ」
「!」
あの楽譜に書かれていた恐ろしいタイトルを思い出す。
「僕が歌ってもいいんだけど、どうせならこの世界の人間たちに歌ってもらおうと思った。――でも気づいたら、ここにこうして封印されていた。そして意識が目覚めたのは、ほんの数か月前」
彼がおかしそうに笑う。
「目が覚めて驚いたよ。僕が眠っている間に、この世界から歌が消えていた。そして、銀のセイレーンが破滅を導くという偽りの伝説が出来上がっていた。更にはそんな彼女を消したのが、この僕ということになっていた。――意味がわからなかった」
「エルネストさん……」
その憂いに満ちた瞳が私を見つめた。
「だから僕は君を喚んだんだよ、銀のセイレーン。その伝説の通りに、今度こそこの世界を破滅へと導いてもらおうと思ってね」



