グリスノートからあの伝説を聞いてショックだった。金のセイレーンと銀のセイレーンが戦ったなんて私にはどうしても信じられなかった。
だから、彼自身から語られたその真実は水面に落ちた雫のように、私の心に熱く満ちていった。
「――でも、そんな愛しいときは長く続かなかった」
その瞳の色が翳る。
「皆に愛されていた彼女だけれど、中にはそんな彼女を邪魔に思う人間がいた」
「え?」
「彼女は、そんな人間たちに殺されてしまった」
「!?」
――銀のセイレーンを消したのは金のセイレーンではなく、人間……!?
伝説とは違う、あまりに酷い事実に息を呑む。
「僕は、悲しくて、悔しくて……それでね、彼女の居ないこんな世界なんて、もう要らないと思った」



