My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】



 奥へ進むにつれて徐々に道幅が広くなり天井も高くなっていくのがわかった。
 そして岩肌がキラキラと光っていることに気付く。近づいて見れば例の青い石が先ほど見たものよりずっと大きく水晶のようになって岩肌から無数に突き出ていた。

「キレイ……」

 ここで採掘すれば先ほどの場所よりもずっと簡単に採れるのにと思った。

 ――ぴちゃん。

 そのとき小さく水音が聞こえた。奥の方からだ。
 また天井から雫が降ってきているのだろうか……?

 ぴちゃん……ぴちゃん……。

 でもそれは奥に行けば行くほど大きく坑道内に響いて――。

「!!」

 急に大きな空間に出て、私は息を呑んだ。
 目の前に、青く輝く海が広がっていた。――違う。海であるはずがない。

(地底湖……?)