(でもこれで、もう誰も傷つかない)
モンスターたちも私がいなくなればきっと大人しく森に帰っていくはずだ。
怪我をしている人がいないか周囲を見回して、通りの向こうに見慣れた赤毛を見つけた。
ピクリとも動かないモンスターたちを避けながら駆け寄ると、セリーンは大剣を握り締めたまま倒れ穏やかな表情で眠っていた。目立つ傷はなくてほっとする。
「ごめん、セリーン。ありがとう」
その手に触れて謝罪とお礼の言葉を口にする。
「ちょっと、行ってくるね」
私は再び立ち上がって目の前に聳える鉱山を見上げた。
(皆が眠っているうちに、坑道内を調べなきゃ)
あそこに絶対何かあるはずだ。
私はもう一度深呼吸して、ひとり歩き始めた。



