My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】


(でもこれで、もう誰も傷つかない)

 モンスターたちも私がいなくなればきっと大人しく森に帰っていくはずだ。
 怪我をしている人がいないか周囲を見回して、通りの向こうに見慣れた赤毛を見つけた。
 ピクリとも動かないモンスターたちを避けながら駆け寄ると、セリーンは大剣を握り締めたまま倒れ穏やかな表情で眠っていた。目立つ傷はなくてほっとする。

「ごめん、セリーン。ありがとう」

 その手に触れて謝罪とお礼の言葉を口にする。

「ちょっと、行ってくるね」

 私は再び立ち上がって目の前に聳える鉱山を見上げた。

(皆が眠っているうちに、坑道内を調べなきゃ)

 あそこに絶対何かあるはずだ。
 私はもう一度深呼吸して、ひとり歩き始めた。