「え……?」 自分の口からそんな気の抜けた声が漏れる。 肩でゆっくりと息をするマルテラさんの手に、血のついた短剣が握られていた。 壁際に蹲るラグが小さな少年の姿に変わって、押さえたその横腹からじわじわと広がっていく赤いものを見て、漸く、私の頭は理解する。 「――っ、いやああああああーーーー!!!」