真剣な彼の姿を見てマルテラさんもやっと信じてくれたのだろうか、ラグから手を離すとゆっくりと深呼吸をした。 「……やめてって、言ってるのに……」 低く掠れた声で言うとマルテラさんはもう一度ラグに静かに身を寄せた。 「ぅぐ……っ」 そのとき、ラグの小さな呻き声を聞いた気がした。 ――え? 何が起きたのか、わからなかった。 ラグがマルテラさんから離れ、よろけるようにして壁に凭れ掛かりそのままズルズルと崩れ落ちていく。