「……では、この穴から内部を調査するのも」
「命の保証は出来ん。やめておくんだな」
パシオさんをはじめ皆が難しい顔になる中、アジルさんは続けた。
「昨夜も言った通り、鉱山の方は何も問題ない。だから調査も必要ない。何か異変があれば伝えに来る。それでいいな」
一方的にそこまで言うとアジルさんはさっさと坑道図を仕舞い、そのまま詰所を出て行ってしまう。
誰もそれを引き留めることはせず、私は慌てて外まで追いかけその背中に声をかけた。
「あ、あの!」
こちらを振り返った彼がぎょろりとした眼で私を見た。
「なんだ」
「す、すみません、あの、ちょっとおかしなことを訊くんですが」
そう前置きをして、勇気を出して訊ねる。



