「カノン!」 「はい!?」 いきなりグリスノートに名指しされ、びくっと肩が跳ねる。 そのまま手招きされて私はセリーンと共に彼の近くへと移動した。 グリスノートはそんな私に短く囁く。 「とりあえず今は話を合わせとけ」 「え……」 なんだか覚えのある台詞に嫌な予感のした直後、グリスノートは私の肩を軽く引き寄せ大声で言い放った。 「こいつが俺の嫁のカノンだ! 覚えとけ!!」 (やっぱりーーーー!?)