My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

 今にもその二人――おそらくは親子に飛びかかろうとしていたモンスターは向かってくるラグに気付いたのだろう、すぐにこちらに標的を変えてきた。
 牙をむき出しにして飛びかかってきたモンスターをラグは寸でのところでかわしその横っ腹をナイフで切り上げた。ドッとそのモンスターは横に倒れ痙攣した後に動かなくなった。
 まずは一匹。しかし他のモンスターは倒れた仲間を見て怖気づいたのだろうか、ラグからじりじりと後退りするとそのまま一斉に森の方へ走り去ってしまった。

 ラグがナイフについた血を払って仕舞うのを見て私は彼に駆け寄る。

「大丈夫?」
「ありがとうございました!」

 私の声に女性の声が重なった。先ほどの親子が座り込んだままラグの方を見上げていた。

「うわあああ……!」

 お母さんに抱きついていた2、3歳ほどの可愛らしい女の子が急に大きな声で泣き始めた。きっと緊張が切れたのだろう。