「……心配か?」
「え?」
彼がぽつりと言った。
「オレと街に入るのは、やっぱり怖いか」
「――ち、違うの!」
その瞳がわずかに翳ったのを見て、私は慌てて否定する。
一番不安なはずのラグにそんな心配をさせてしまうなんて……!
自分を引っ叩きたくなった。
「ごめん、ほんのちょっとだけ緊張してるだけだから、本当に大丈夫」
精一杯の笑顔で答える。
「……なら、いいが」
「うん! ラグこそ、平気?」
思い切って訊くと、彼は少し瞳を大きくしてからゆっくりと街の方に視線を向けた。
「思っていたよりは平気だ。……まさか、もう一度ここへ来るとは思ってなかったけどな」
「そう、だよね……」



