My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】


「……心配か?」
「え?」

 彼がぽつりと言った。

「オレと街に入るのは、やっぱり怖いか」
「――ち、違うの!」

 その瞳がわずかに翳ったのを見て、私は慌てて否定する。
 一番不安なはずのラグにそんな心配をさせてしまうなんて……!
 自分を引っ叩きたくなった。

「ごめん、ほんのちょっとだけ緊張してるだけだから、本当に大丈夫」

 精一杯の笑顔で答える。

「……なら、いいが」
「うん! ラグこそ、平気?」

 思い切って訊くと、彼は少し瞳を大きくしてからゆっくりと街の方に視線を向けた。

「思っていたよりは平気だ。……まさか、もう一度ここへ来るとは思ってなかったけどな」
「そう、だよね……」