(でも、こんなことになるなんて……) 罪悪感で小さく手が震えた。 「じき目を覚ますだろ」 「本当だろうな」 睨むように見上げられてラグが頷く。 「力の使い方を間違えた術士がよくこうなる」 それを聞いてグリスノートはもう一度腕の中のアヴェイラを見つめた。 「なんだって歌なんて……」 「お頭はなぁ! グリスノート、お前のためにずっと歌を練習してたんだよ!」 海賊のひとりが堪りかねたように声を上げた。 グリスノートがゆっくりとそちらに視線を向ける。 「俺のため?」