そして、あっという間に彼らはこの船の上空に辿り着いた。
 ラグの腰にしがみつくような格好になっていたグリスノートがまず先ほどまでアヴェイラが立っていた場所に飛び降り、次いでその傍らに風に包まれた彼が静かに降り立った。その優しい風がこちらにまで届いて。

「よ~っほほほほ! ようこそ、あたしの船へ。ラグ・エヴァンス、そしてグリスノート!」

 アヴェイラが胸を張り得意の高笑いでふたりを迎えた。

(ラグ……)

 彼女の肩越しにラグと目が合って、数日ぶりに見たその青い瞳にどきりと胸が跳ねる。
 彼は無事な私たちを見てほっとしたのだろうか、すっとその目が細められた。

「相っ変わらずうるせぇ奴だな、てめぇはよ!」

 グリスノートが第一声、アヴェイラに喧嘩を売るように言った。