My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】


(会えたら、まずは心配かけちゃったことを謝らなきゃ)

 ラグがブゥをよこしてくれたのは、きっと隙を見てアヴェイラの船から逃げ出せという意味だったのだろう。この世界に来てすぐ、あのランフォルセのお城から逃げ出したときのように、ブゥの力を借りて。
 でも私は逃げなかった。もしかしたらブゥはそんな私に戸惑っていたのかもしれない。

(アヴェイラに歌を教えてたなんて知ったら、絶対怒るよね……)

 ドキドキしていた胸の少し下あたりが今度はしくしくと疼きだして、私はその場所を優しく摩りながら早朝の潮風をいっぱいに吸い込んだ。