「…私ね、前の学校でイジメられてたの」
「「あぁ〜」」
「え、何で納得したような反応なの!?」
皆、同じ反応って…何を察したらそうなるの?
「嫉妬しかないわね」
「そうだね!」
「…嫉妬かどうかは分からないけど、彼氏取られたとか、男たらしとか、散々言われて挙句の果てには女子全員が私の事をフルシカト。物が無くなるは殴られるはで、精神が不安定になっちゃったんだよね」
「いくら嫉妬とは言え、イジメとかをする奴は人間終わってるわね」
「…そのタイミングでお母さんの転勤が決まって、ついて行くにしたの。それで、次の学校では目立たず、端の方で平和に学校生活を送ろうと思ったんだけど、地味子が生まれただけだった」
「付け足せば、転校先周辺には暴走族が存在していて、城崎学園にも暴走族がいて転校初日に絡まれ、普通の学校生活は送れなくなったって事だよね?」
「その通り」
矢田君はやっぱり分かってくれるね。
「杏、俺達は容姿で判断をすると思うか?」
響希と目と目が合った。真剣さが伝わってくる。
「…響希達はそんなことしない、しなかった」
「だったら分かるはず。今俺達が求めてる事が」
響希達が求めてる事?
「ナンバーワン?」
「はぁ…」
「…アホね」
「杏分かってよ!!」
「流石、杏ちゃん」
「ありえないっす」
「菅野さん鈍感だね」
え、皆してどうした?喋らなかった人まで…。

