「あの日…翔に何か言われたんだよな?」
「…え?」
「翔もさ翔で龍神を大切に思ってるからこその行動だと思う。責めないで欲しい」
翔と私が何かあった事、気付いてたんだね。
「大丈夫、分かってるから。翔の行動は正解だしね」
「杏…」
「そうだ、矢田君は大丈夫なの?」
「あぁ大丈夫だ。今は怪我の手当も終わって、拉致された時の事を聞いてる」
なるほど、よかった。
「あ、有紗いる?」
「いない、下っ端と買い出しに行ってる」
いないのか。
「じゃあ、優は?」
「優ならいる」
優がいてよかった。
「ちょっと呼んで欲しい」
「?分かった。呼んでくる」
響希は仮眠室から出ていった。
はぁーーーーー。
会話、頑張ったよ。
龍神を、抜けた身だから気まずいってのもある。
だけど、それとは違って響希と話すのって妙に緊張するんだよね。

