「んん…」
目が覚めると、見覚えのある所のベッドで寝ていた。
まさか、もう一度ここに来るなんて…。
今、私は龍神の倉庫の仮眠室にいる。
身バレもしちゃったし、どうしよ。
取り敢えず、この状況は仕方がないことにしとこう。
今思ってることはそんなことじゃない。
「着替えたい…」
相当汗かいたよ?
汗臭いの自分でも分かるもん。
ふと、横を見ると着替えが置いてあった。
え、流石すぎる。
誰のか分からないけど借りよう。優か有紗のどっちかだとは思うけど。
まって、着替えられない…身体がだるくて。
ガチャ
うわぁ、誰か入ってきた。一気に心拍数が上がった。
「杏、起きた?」
響希…。
今、1番会いたくない人かも…。
「うん」
「お粥と、薬を持ってきたから」
「…ありがとう」
「お礼なんていいよ。俺達が巻き込んだから…体調が悪いのに、辛い思いさせてごめん」
「どうにかなったし大丈夫だよ。
…それより、どうして私だって分かったの?」
「杏は杏だから」
え、それだけ!?
「そ、そうなんだ」

