「一般人の方を巻き込んでしまってすみませんでした。恐らく、俺達への嫌がらせだと思います。ご迷惑おかけしました」
響希…総長としてしっかりしてるね。
そういう所、私は好きだよ。
だから…
「私は大丈夫だから、そんな顔をしないで…」
私はずっと俯いてたけど、顔を上げて響希と目を合わせた。
「!?」
「え、めっちゃ美女」
「可愛い…」
「美女すぎ〜」
何か、凄く褒められてる?
響希はずっと固まってる。
「響希大丈夫〜?」
翔が響希の顔の前で手を振る。
「…」
どうした、本当に。
あぁ、人の心配してる場合じゃなかった。
私、もう…意識が。
私は倒れそうになった。
ガバッ
だけど、誰かによって阻止された。
「ほんっとうに、無理しすぎなんだよ。杏」
「「「え!?」」」
皆がその名前を聞いた瞬間、注目を浴びた。
何故、私だと分かった?
矢田君の方をチラッと見ると、見たことも無いくらい驚いた表情をしていた。
矢田君、私達の作戦失敗だね。バレちゃったよ。
私は、限界がきてそのまま気を失った。

