「こっちは片付いた」
響希の声がする。
「おつかれ〜!」
「思ってた通り、NO.4の奴らだった。城崎学園の誰かもしくは一般人を人質にして、俺達を蹴落とそうとしていたらしい」
「やっぱり、そういう事ね」
下克上的な?それにしてはやり方が汚すぎる。
「とりあえず、今回は拉致された人を返してもらえれば、見逃してやると交渉した。次は無いとな」
「まぁ、それで変わってくれるといいんだけどね〜」
「監視する必要があるな。上位の族と話し合いをしてみる。それより、拉致された人は大丈夫か?」
「あ、響希。それが拉致されたのは矢田と、女の子だったよ」
「矢田か、ボロボロだな。その女性は大丈夫なのか?体調が悪そうに見えるけど」
「大丈夫じゃないと思うわよ。拉致される前から体調が悪かったらしいし」
もう、会話があんまり聞き取れない。
「ひ、びき」
「!?」
「え、知り合い?」
「誰なの?」
「響希どういう事!?」
しまった、響希の名前を呼んじゃったよ。無意識だった…。
それにしても、この食いつき具合は流石。
矢田君に、カバーよろしくのアピールを眼力だけで伝えた。
「…多分、皆が響希さんのこと話してたからじゃないかな。この女性は星野アリスさんって人だよ」
いいよー矢田君。
「響希知ってるの〜?」
「いや、名前は聞いたことない」
「なんだ、勘違いか〜」
「ちょっとドキドキしちゃった!」
でも、健に星野アリス自体を調べられたらアウトだよね…。

