「ここ、どこか分かる?」
「いや、分からない。僕も気絶させられたから」
「私達、ピンチだね」
「そうだね…。菅野さんは体調大丈夫?」
「…大丈夫じゃないよ」
「そう、だよね…ごめんね、俺が制服だったからこうなって菅野さんまで巻き込んじゃった」
謝られると思ってた。
「矢田君は悪くないよ。私があのままあの場所で休憩してたら同じだと思う」
恐らく、ターゲットは誰でもよかったと思う。
「早く、ここから出たいけど、ガッチリ縛られてるから無理だね…」
「そう、どうしようか…」
「でも、大丈夫だとは思う。きっと龍神が助けに来てくれるよ」
「…え、それはヤバいかも」
「どうして?あ、気まずいか。ごめん」
「それもそうなんどけど、私この姿だし」
「…隠したいの?」
「まぁ、とても」
矢田君には私の素顔バレたけど、黙っててくれそうだし、いいやって思った。
「じゃあ、僕は菅野さんって言わないよ」
「…ありがとう」
「もうそろそろ、助けに来てくれると思うよ。あの、ハッカーが見逃すわけないし」
健の事か。
「偽名考えとかないと」
「拉致された経路は本当の事でいいよね」
「うん。矢田君の優しさが溢れてるからね」
「え、やめて恥ずい」
ははっ。困ってる困ってる。
「じゃあ、私は横になって寝てるね。少しでも回復したいし」
「りょうかい」

