ガラガラ
「「…」」
この感じは、龍神だね。
時間を確認っと。
あ、もうそろそろ午後の授業か。
「ねえ、矢田君」
「ん?」
「何か喋ろう」
「いきなりだね」
「さっきまで喋ってたでしょ」
矢田君と会話してる間に龍神達を席まで移動させて目を合わせないようにする作戦。
何でかって?気まずいからだよ。
だけど、この会話のおかげで龍神達は私の横を通り過ぎて行った。
私の席の周りは龍神で固まってるけどね。
必要最低限は話したりするとは思う。
クラスメイトだし、授業とかでいくらかは絡むよね。
「菅野さん僕、目でやられる」
「え?」
「龍 響希の眼力まじでやばい。嫉妬剥き出し」
「何訳わかんない事言ってるの。響希は元々目付きが悪いんだから仕方がないでしょ」
「そ、そうかなぁ」
矢田君って、響希になんか臆病だよね。
まぁ、周りにそう思わせてるなら、
流石総長って感じだけど。
「それより私は、有紗からの視線をどうにかして欲しい」
「あぁ、さっきから菅野さんへあっつい視線送りまくってるからね。
悲しさと愛しさって感じかな。あんなに分かりやすい表情する人は初めて見たから、笑いそう」
「困ってるんだから、助けてよ」
「僕もその言葉、そっくり返すよ」
「「…」」
2人して無言になってしまった。
「「…はぁ」」
そして、2人してため息をついた。
困ってる事は同じで、解決出来ない事に白目。

