屋上で話し終わったら速攻教室に戻ってきた。
私の心はルンルン。
ふぅースッキリしたぁ!
これで私は自由!!!
なんの縛りもない!
…そう、これが私が望んでいた事。
…………望んでいた事だよ。
そう、だよね?
「あれ、菅野さん掃除おわったの?」
「ぁ…矢田君、聞いてよ!龍神とお別れしてきた!」
「……え?」
矢田は何故かフリーズしている。
「え?どうして矢田君は驚いてるの?」
「い、いやぁ…あの人がそれを許したのが意外で」
「ん?」
あの人?
「まぁ、いいや。“良かったね”、菅野さんにかける言葉はこれで大丈夫?」
「…うん」
あれ、なんかやばい。
すっごい心残りがある。
何だろう、人にこう言われると泣きそうになる。
嬉しいはずなのにな…。
だけど、この分からない感情を今表に出す訳にはいかない。私はここでグッと抑えた。

