「……なんでさぁ、杏ちゃんの情報が今の住所しか出てこないの?」


…そう言う事か。


「響希には止められてたんだけど、健に杏ちゃんの情報を探ってもらってんだよね。そしたさ、面白いくらい情報が無くて驚いたよ。健も苦笑いしてたね」


それは、モチが管理してるからとは口が裂けても言えない。

モチと関わりがある時点でスパイって事になっちゃうかもだし…。捉え方にもよるけど。


でも、響希はどうして私の事を探らなかったのだろうか。



た、確かに今思えばさ、普通は探るよね?
情報を管理してるって言ってたし。
尚更、転校生とかはさ。





「なんで黙ってるの?」


言い訳が見つからない。


「よく考えてみたらさ、健が探っても杏ちゃんの情報が出てこないって事はさぁ、俺達より上のスパイって事になるよね〜?
上位の族で俺達を裏切ろうとしてる訳?」


「ち、違う!!それは絶対にっ!ていうか、スパイじゃないし」




ガタンッ



「…っ」


翔が勢いよく私を床に押し倒した。
回避することは出来たけど、それはそれでマズイからされるがまま。


めっっちゃ痛いよ?