「資材室ここだね〜」


うわぁ、汚い。

ホコリに、物の散らかり。


「汚いよね〜」


「誰も掃除しないのか…。
先生達までもが放ったらかしにしてるとは…」


「だからさ…」


…いきなり翔の声が低いようなきがする。
何か、変かも…。



ガチャ

何故か翔は、資材室の鍵をかけた。


「え、何で鍵閉めたの?今から掃除するのにホコリがすごいよ?」


「ここね、元資材室なんだよね。だからだ〜れも使ってない」


「あ、そうなんだ…」


「どういう事か分かる?」


「え、だから掃除しに来たんだよね」


「違うよ杏ちゃん。つまり、誰も来ないって事だよ」

だから誰も来ないのは分かるけど、

「…どういう事?」



「どういう事ってこっちのセリフなんだよね」


翔から伝わってくるのは敵意。

なるほど…やばい。


「いつまで本性隠してるつもりなの〜?」


「本性って…。いきなりどうしたの?」


「へ〜まだとぼけるんだぁ」


とぼけるしかないでしょ。


「翔、変だよ?」


「何処のスパイなわけ?」


「スパイ?」


「俺は初めから怪しいと思ってたよ」


「…私が、スパイ?私、スパイなんかじゃないよ?」


「証拠があるとしてもさ、そんな事を言える〜?」


え…?

「証拠?」