「菅野さん、おはよ」
「矢田君、おはよう」
「菅野さん、ちょっと…」
矢田が何故か手招きをしている。
「ん?」
私は矢田君に近ずいて、耳を傾けた。
「…もしかして、菅野さんってスパイ?」
「…すっぱい?」
え、私からすっぱい匂いするの!?
自分の体の匂いを嗅いだ。
ちゃんとお風呂入ったのに。
しかも冬だよ!?
「ぁ、いや違う…ふははっ!」
なんか笑われたんだけど。
「菅野さんは何処の族のスパイなのかなって事」
そのスパイ!?
「え、私がスパイだと思う?」
「いや、俺は1ミリも思ってないよ」
「じゃあどうして、そんな事を聞くの?」
「ほら俺が変な事を言うって事はさ、1つしかないでしょ」
あぁ…なるほどね。
翔か。
「分かった」
「そろそろヤバいかもね。何か仕掛けてくるかもしれないから、気をつけてね」
「ありがとう」
何か嫌な予感するし、前もって知っておいた方がいいよね。矢田君の助言は助かるね。
それにしても、眠い。
昨日の夜に、動きすぎたからかな。
疲れがとれてないし、睡眠不足だわ。
丁度、矢田君の背中で隠れられると思うから、少し寝よ。
授業を受けないといけないのは知ってる。
だけど、睡魔には勝てない私…。
おやすみ…。