「杏、もう走るの禁止」
「…はい」
「ごめん、俺を追ってきたんだよな」
「まぁ…」
「俺さ、杏の事になると余裕ないからさ…」
「ふっ、なんか面白いっ。でも、嬉しい」
「やっと逢えたから、この縁を大切にしたい」
やっと…?
でも響希が言ってくれたその言葉は、私も同感。
私もこの縁を大切にしたい。
「…響希に聞きたい事があるんだけどさ」
「ん?」
「どうして、私を姫にしたの?」
「…いくつか理由がある。だけど、今は言うべきじゃないと思ってる。その時がきたら、話すよ」
今は言うべきじゃない?
尚更気になってしょうがない…けど、我慢するか。
「わかった」
「でも、これだけは言える。俺は杏自身を信頼している。杏と再か…杏と出逢えただけで奇跡だと思ってる」
「ありがとう響希」
私は響希に抱き着いた。
こんな事、言ってくれる人なんて普通いないよ。素直に嬉しいよね。
てか、再か?って何??
「俺、爆発しそうで怖い」
「え、爆発したら怖いんだけど、響希は爆弾な訳?」
「……」
「あ、それか火薬でも仕込んでるの?」
「これは苦労するな…」
何故か頭を抱える響希。
え?

