「気にすることないわよ。すぐに戻ってくるわ」
そうだと思うんだけど、何かこのままだとモヤモヤする。
「私、響希探してるくね」
「あらあら〜?」
ニヤニヤとする有紗。
「青春〜」
余計な翔。
私はそんな事は気にせず、走り出した。
「あ、護衛は大丈夫なの?」
「「はっ!」」
幹部3人は矢田君から言われ、やばいと言う顔をした。
でも、ごめん!私は突っ走る!!
静かな姫じゃないからね〜。
おそらく、私の速さには着いて来れないと思うし。
後ろを全力疾走で3人が着いてきてたけど、もう巻いちゃった。
1人で喜んでいたその瞬間…
グイッ
お腹に腕を回されて、誰かに引っ張られた。
「っ…」
やばいっ完全に油断した。
誰もいない物置っぽい所に引っ張られた。
今、お腹に腕を回された状態で、相手は私の背後にいる。完全に密着してるから、下手に攻撃したら危ないかも。
「杏」
ん?聞き覚えのある声…。
後ろを振り向くと…
「響希?」
どう見たって響希だった。
「急に引っ張ってごめん。痛い所ないか?」
「大丈夫だけど…」
「「あ…」」
2人してタイミングがあった。
そう言えば、捻挫中だったっけ。
またやってしまった!

