「あれ、思ったんだけど矢田君ってさ、翔と普通に話すんだね」



「ん?あぁ、だって僕さっきも言ったと思うけど、そういうの気にしてないから。暴走族とはいえ、同じ年に生まれた同級生だし。しかもここ学校でしょ?他族いないし」


「矢田君を尊敬する」


「え、嬉しいけど、あんまりそういう事言わない方がいいよ?」


「どうして?」


少し、矢田君の顔色が青いような…。


「いや、龍 響希に睨まれてるから。流石に僕でもお手上げ。こわいこわい」


「は?」


矢田君は私の後ろを指さす。

振り返ると…
なんか、不機嫌そうな響希がいた。

何故?


「響希、どうして不機嫌なの?」


「「ぶはっはは」」


え、皆に笑われたんですけど。



「矢田に負けたのが悔しいのよ。きっと」


負けた?優がそう言うも、意味が分からない。



「杏ってもしかして天然!?」


「そんなこと言われた事ない。ていうか、有紗にそんな事言われるとは思ってなかった」


「え、どういう事!?」


驚く有紗。


「そのままの意味ね」


「確かに〜」


皆、理解してるらしい。