「なんか、矢田君って暴走族に詳しいんだね」


「詳しいって言うよりかは、この学校でこのクラスだからさ、分かっちゃうよね」


「あ、そういう事ね。納得」



「ちなみに、僕はこの学校の味方だから」


「…え?逆に敵だったらこの学校にいられなくない?」


敵だったら一瞬で放り出されそう。いや、拘束されて事情聴取?


「確かにね、僕さ人間観察とか人を見る事が得意だから、すぐに分かるんだよね」


…何が?って聞きたいけど、怖くて聞けないかも。もしかして、私の事も見抜いてるとか?


矢田君は、ハッカーの健より危険かもしれない。



「ちなみに注告しておくと、副総長には気をつけた方がいいよ」



「え、翔?」


今、翔は両耳にイヤホンを付けて会議に参加してるから、私達の会話は聞こえてないと思う。だけど、この会話は危険すぎるような…。矢田君がさ。



「結構、黒いと思うから」



…黒い?腹黒いとか?



「あ、僕から見た菅野さんはね…逃げてきたで合ってるかな?」



「…っ」


うわ、めっちゃ図星。



「ま、僕は追求はしないから安心して」



「あ、りがとう」




「…だけど、一つだけ」


「?」


「どうして変装してるの?」


嘘でしょ、何で…。


「…何言ってるの」



「ほら僕、人間観察得意だから。わざと地味にしてるようにしか見えないんだよね。本当はさ、地味子じゃないよね? 」



「…え、私変装なんてしてないよ。昔からこんなだし」