「皆、おはよ〜」


あ、矢田君だ。
周りと同じで、話してくれないんだろうな。




「あ、菅野さん。おはよう」

ニコッと笑みを私に向けた。


え、挨拶してくれた。



「お、はよう」


「小説、読んでるんだ?知的っぽくて憧れる」


「…矢田君、私と話して大丈夫?」


無理してないのかな。



「ん?あぁ、大丈夫、大丈夫。僕、そういうの気にしてないからさ」


「矢田君、忠告してくれたのにゴメンね」



「いや、菅野さんが平気ならいいんだよ。ほら、暴走族とか無縁そうだなって思って。危険とか多いし?」




「まぁ展開が早すぎて、正直ついていけなかったよ…。姫になるって決めたけど、実際は不安」


色々とね。


「確かに、転校そうそう災難だなって思ったよ」


「ははは…」



やっぱり思ってたんだね。
て言うか矢田君だけじゃなくて、皆が思ったんだろうな。