て言うか、モチって……。
「杏っ、どうして吹いちゃったのっフフ」
控えめにしてるみたいだけど、笑いを隠せていない有紗の表情が、今は辛い。
いや、恥ずかしいよ本当に。
笑ってるのは有紗だけじゃないし。
笑いをとってる間に、誤魔化す理由を考える。
「一匹狼のわりにはモチって可愛い名前だなって思ったら…」
もう、これしか思いつかないよ。
「確かにね!癒し系の可愛いぬいぐるみとかか好きそうな感じだよね!」
「そんなこと言ってるけど、男だったらどうするのよ」
「男だって可愛いもの好きでしょ!」
確かに。でも…
「偏見になっちゃうかもだけど、名前的に悪いことをしそうじゃないし、大丈夫じゃない?今まで、変な事件とか起きなかったならさ」
こうカバーしないと、モチの事を何も知らないのに、モチが悪く言われるのは嫌なんだよね。
んー、まぁ仕方がないことだろうけど。
ただ、こんなにも暴走族に警戒されてるとは思わなかったな。
「ん〜何も起きてはないけど、警戒を解くのは難しいんだよね〜。何せ、モチはハッカーでトップだからね〜!」
「!?…トップなの?」
「そうそう!」
え、どんだけ凄いのよ。

