「ま、あくまで仮定の話だからね〜!
はい!飲み物どうぞ〜」
「あ、ありがとう」
渡されたジュースちびちびと飲む。
仮に私が狙われても、何とかできるとは思うけど、暴走族ってどの位強いのかが分からないからなぁ。
てなると、分からないままだとダメなのか。
「そのハッカーの事を何も分かってない訳じゃないからね」
「え、そうなの?」
「無名じゃないって事だけよ」
どんな名前なのだろうか。
「なんて名前なの?」
「“モチ”って名よ」
「ブーーー!!!!」
私は口に含んでいたジュースを一気に吹き出した。
「ちょっ、杏どうしたの!?」
「汚いというか、びっくり」
「大丈夫ッすか?」
「杏、これで拭いて」
響希がティッシュをくれた。
「あ、りがとう」
びっくりした。
謎のハッカー…名前を聞いて思わずジュースを吹いちゃった。
小さい頃に面白いテレビを観て、牛乳を吹い時た以来だよ。
あの時はお母さんに怒られたなぁ。
吹いた所がコタツ布団だったし。

