「杏さん、聞いてください」
「うん」
何か真剣な表情の健。
「暴走族では、姫イコール総長の女って事が周囲の族には回ってしまうっす。今はまだ、見かけだけだとしても、周りはそうは思わないっす。なので気をつけてください」
そういう事ね。
「健ありがとう。肝に銘じておくね」
「じゃあ、話もついた事だし!杏の歓迎会やろう!!今から!!」
「え、今から?」
急すぎない??
「ふふふっ!実はね!!下っ端ちゃんたちが用意してたの!」
「下に降りたらびっくりするよ〜!」
私は、幹部室を出て、おそるおそる下を見た。
「う、わぁ!」
そこには、ケーキとかお肉、お寿司とか沢山用意されていて、何より周りの飾りがとても素敵だった。
ウェルカムボードまで。
「え、でもさっき挨拶した時は全然…」
「その後に、下っ端たちが急いで準備したのよ」
「俺たちからのサプライズだよ〜!」
「大成功っすね!」
「下に行くぞ」
皆でワイワイ話して、ケーキ、お肉とお腹いっぱい食べて、すごく盛り上がった。
こんなサプライズは初めてで、とっても嬉しかった。
「みんなっ、ありがとう!!」

