「…所で、暴走族ってやっぱり喧嘩とかするの?」
今のご時世、やばいよね?
「喧嘩はする。だが、それはこの地域を守る為だ」
「守る為?」
「数十年前はあちらこちらで暴走族ってのは存在していた。今は少ない。しかし、この地域はまだ、いくつもの族が存在して日々戦っている」
確かに、私が住んでいた所は、暴走族の事は聞いた事ない。存在してたら、鉢合わせしていたよね。
「そんな危ない事を、響希たちはどうして…暴走族をしているの?」
「それはね〜杏ちゃん。さっきも響希が言った通り、この地域を守る為だよ〜。俺らが有名だからこそ正統派じゃない族は、むやみに手出し出来ないってわだから、皆が安全でいられる」
「そうだったんだ。なんか、勝手に暴走族は悪いイメージだったから。響希達の事が知れて良かった」
「まあ!喧嘩が好きなのは、どの族も同じなんだけどね〜!」
「それは余計な一言ね」
「あ、やっぱり〜?」
“守る”か。
その気持ちは私も同じだったな。

