「次の日にね、もう一度きたんだよね…。
今日初めて来ましたって感じでさ」
「え?」
どうゆうこと?
「前日の記憶が無かったみたいでさ、僕達は先代と言い合いになっちゃったわけだから、最初は気まずかったよ」
お酒を飲みすぎて、前日の記憶がなく、次の日にまた来るって…お酒恐るべし…。
でもさ、
「言い合いになった理由は?」
「本当に今の龍神は、上位に立つ程の力があるのかって話になってね、
“誰か俺と勝負しろ!俺が試してやるぅ!!”
って言い出してきてさ…。フラフラしながら大暴れ」
「もしかして、その人はアホなの?」
「「…」」
あ、誰も否定しないって事は、そう思ってるって事だよね…。察したわ。
まさか、こんな酔っ払いが先代なんてって感じだったのかな?
「それでね、総長成り立ての響希が相手することになったんだ。でも、響希は負けちゃってね…」
「え…。響希が?」
「いくら酔っ払いでも、ちゃんと先代だったんだって僕らは確信したんだ」
ちゃんと先代だったって言い方は、なんか笑う。
響希の方を見ると、響希はそっぽを向いて眉間にしわを寄せていた。
もしかして、負けた事を根に持ってるとか?
「見ての通り、響希はまだ根に持ってるみたいだね〜」
「…るさい」
「「プッ」」
あ、皆分かってるんだね。

