「矢田もリクスを背負いながら、仲間の怪我の手当してくれてありがとな」
「僕も龍神の仲間だしね」
矢田君ドヤ顔だ。
「原にも感謝する。俺達だけでは何も出来なかったと思うから助かった」
「私は杏ちゃんの為なら何でもするし!
…だけど、私も龍神とも出会わなければ何も出来なかったよ!」
…ん?咲良は何でも出来ちゃうよね?どういう意味なんだろ。
「皆!感慨に浸ってないで怪我の手当しないと」
「「あ」」
矢田君の言う通りだね。
幹部以上は放置されてたんだ。
「皆、痛そう…」
改めて傷の具合を見ると痛々しい…。
有紗なんて、女の子なのに顔とかにアザが…。
「杏は人の心配してる場合じゃない」
「え?」
「手、血がすごい。俺が杏の手当するから」
響希に手招きされた。
「ありがとう…本当、殴りすぎたよ。初めてあんな人数相手にしたわ」
「確かにそうだよね!いつもは数人とかだったし!」
「「…」」
皆して黙り込んだ。なんで?
「この会話、普通じゃないわよね…」
「ほんとっす…俺らですらあんな人数無理だったのに…たった2人でなんて」
何とかなっちゃったから私も驚いてるよ。
「でもそれは、響希達が頑張ってくれてたからだよ」
「俺達が?」
「だって、相手も体力落ちてたし倒しやすかった」
「そうだね!皆で頑張ったね!」
「おかしな奴らだな」
うん、それはなんとも言えない。

