ねぇ、響希。



私の事、嫌いになったりしてない、よね?



嫌われてないよね?



別れようって言わないよね?



好きじゃないって言わないよね?




もう、ただただ怖くてしょうがない。






「…響希」






「ありがとう。龍神の為に戦ってくれたんだな。かっこよかった。見惚れてたよ」



「え…」


こんな事ことを言ってくれるなんて、予想外だった。


てっきり、突き放されるのかと思ってた。



「更に惚れ直した」


ほ、惚れ…。


「…っいいの?
私っ龍神の幹部で、響希の恋人でいていいの…?」




「当たり前じゃん」





ガバッ



私は響希に抱きついた。




「ごめんねっ、ずっとアメって事を秘密にしてて。でも、変装してても響希には直ぐにバレちゃったけど…」


多分、倉庫に入った時から気づいてたんだろうな。


「正直、杏がアメだったのは驚いた。それと同時に、嬉しさが込み上げてきた」



「嬉しさ?」


「自分の秘密を犠牲にしてでも、来てくれた。めちゃくちゃ仲間思いじゃん」


「っ…当たり前だよ」


響希がくしゃっと笑うものだから、反応に困ってしまった。

新鮮すぎて心臓が高鳴った。