私と咲良は勢いよく家を飛び出した。
「杏ちゃん!容姿はそれでいいの!?」
今は、地味子の姿。
「迷ってる!!」
あー!!どうしよう!!!
ガシッ
勢いよく誰かに腕を掴まれた。
「っ何!?」
もしかして、私の所にも悪族が来た!?
それならもちろん、倒しちゃうけどっ。
「っ菅野さん」
「!?矢田君…」
「え?矢田君どうしたのー?」
矢田君は息を切らしていた。
「倉庫には言っちゃダメだよっ」
なんで止めるの。
「私は行く!離して」
「響希から頼まれたから。きっと、原さんが情報を掴んで菅野さんに言うはず。だから、それを止めて欲しいって」
「でも!このままだと龍神がっ龍神が!」
「そうかもしれない。でも、僕も龍神の幹部として響希、いや総長の命令は絶対に従う。それに僕も、この判断が正しいと思うから」
私の正体がアメって知らないから、みんな一生懸命に私を守ろうとしてくれてるのは分かる。
「でも!!私も龍神の幹部だから、龍神を守る理由がある!!」
「杏ちゃん、急がないと!」
分かってるんだけど、矢田君が手を離してくれない。
無理やり離す手段もあるけど…。ここは、矢田君を納得させる必要がる。
「僕はこの手を離さないよ」
…仕方ないか…この後バレる事だし、言っちゃうか。

