「前々から計画は立ててたかもしれないけど、始まりは杏ちゃんと矢田君が拉致された時だね」
「え、どういうこと?」
あの拉致の時から、龍神に危険が迫ってたの?
「拉致した側の族は…、
上位1、2位の族と、裏で同盟を結んでる族。ちなみに順位は4位」
ん?
「え、まって…龍神の一個下のが悪族ってのは知ってた。
けど、龍神より上位の族って、正統派だよね?何で悪族と同盟を結んでる訳?」
「あの上位の族は、表面は正統派だけど、裏は悪族なの。しかも、総長同士が兄弟だし」
「はぁ?」
なにそれ、じゃ龍神は騙されてるってこと?情報交換とか管理とか共有してるんじゃなかったっけ?
「もっと最悪な話、そのNO.4の悪族はその兄弟の従兄弟らしい。て言うか思いっきり従兄弟」
「え、それって龍神ヤバくない?」
「完全に龍神を潰そうとしてる。
恐らく、トップ3を身内で支配しようとしてるね」
だから龍神を蹴落とそうとしてるのか。
「そんなの、許せない。私も龍神の一員として、アメとしてもこれはスルーできない」
「私は龍神の一員じゃないけど、モチとして同じ気持ち」
「…私が考えすぎなのかもしれないけど、上位の族と会合に行ってから、雰囲気がピリピリしてるのは感じたかも」
表情には出てないから、誰も気づいてないと思う。対応は変わらないし。
「その会合で何か言われたか、何かを察したのかもね…」
「そうだね」

