「杏」
分かった！分かったから！！
「っ響希の事が好き！大好きで…んんっ」
”です"まで言おうとしたけど、言わせてくれなかった。
いきなりキスされてびっくりしたけど、荒くはなく、とっても優しかった。
やっと、自分の気持ちを言えてスッキリした。
ずっと、もどかしくて辛かったから。
「俺も杏の事、大好き」
「待たせてごめんね」
「本当に。矢田の事で正直焦った」
「え？」
「矢田には何でも話せてるみたいで仲良いし」
「矢田君は人柄的に絡みやすいからね」
「それに矢田は杏の事が好きだったから、
杏が矢田の事を好きになったらどうしようって思ってた。ずっと不安だった。
でも…はぁーーーーー俺を好きになってくれてありがとう」
随分と長い溜息…。
「響希は私の事をずっと好きでいてくれるし、優しくしてくれて、容姿が地味でも気にしないし…正直、戸惑ったよ」
「戸惑ったのかよ、そこは嬉しかったにしてよな」
「…そう、だよね。
響希、ありがとう。すっごく嬉しかった！これからもよろしく！」
「っ…。いつもより素直だから、調子狂う」
「え、自分が言えって言ったのに？」
「…そうだけど、可愛いすぎなんだよ…杏」
「…んんっ」
また響希は私を抱き寄せて、そっと……。
