「綺麗…」
旅館の外は綺麗にライトアップされていた。
心を落ち着かせるのにはいいね。
これから、近いうちに事件が起きると思う。
必ず。
だから、私の正体もバレるかもしれない。
龍神が私の事を信頼してくれていても、私の正体を知ったら変わってしまうかもしれない。
そんな恐怖が自分に襲ってくる。
怖くて仕方がない。
拒絶されたらどうよう。
響希はどう思うのかな。
私の正体を知って嫌いになったりしないかな。
不安になると、響希の事ばかり思い浮かんでくる。
だけど、何があろうと私が必ず龍神を守ってみせる。
「…菅野さん?」
「っビックリした…。矢田君どうしたの?あれ、温泉は?」
私、変な表情してなかったかな。見られてないといいけど。
「僕、直ぐにのぼちゃうから、少しだけ浸かってきたんだ」
「あ、私も一緒」
「少し、話しない?」
「いいよ」
なんだろ、私が考えすぎなのか、矢田君の様子がいつもと違う気がする。

