「ここが入口みたいだね!」



「あ!ちょうどタイミングがあったね〜!」


温泉の入口で男メンバーと鉢合わせた。


ん?んんん???


「優?何で男湯側にいるの?
あ!さっき変な違和感はこれか!!部屋にも優がいなかったからか!」


なーんかおかしいと思ったんだよね。気づかなかった。



「ほら、皆で温泉入るよ」


私は優の腕を掴んで、女湯に入ろうとした。



「ちょっ杏」


「優、何焦ってるの?」


優はその場からビクとも動かない。力強いな。




「杏ちゃん、無理やり女湯に入れたらダメだよ」



「え、は?」


咲良の発言に、私の頭の上に?が沢山浮かんでる。

何でダメなの?女同士なのに。


「杏、私の事まだ分からないの?」


「え、全く分からないけど」



「私は“男”よ」



男?



「は?はぁ!?男!?!?ウソだー!!」


「杏ちゃん…本当に知らなかったのか」



「え、本当に?」


「本当に。証拠見せてもいいわよ」


優は上着を脱ぎ始めた。


「ちょっ!!まった!!分かったからっ脱がなくていいっ!!」


私は、パニックになりながら、優を全力で止めた。



「分からなくてもしょうがないわよ。私、可愛いから」


優は決めポーズまでしてアピールをする。