「皆、こんばんは」
矢田君が旅館で出迎えてくれた。
「矢田君こんばんは」
「矢田、つけられたりはしてないか?」
「ま、まぁ、大丈夫だよ。…なんたって、護衛がいたからね」
「「護衛?」」
皆が頭をかしげた。
矢田君ってお金持ちなの?
「皆ー!こんばんわ!!」
「「え!?」」
「さ、咲良!?」
咲良が矢田君の背後から元気よく出てきた。
護衛って咲良の事だったのか、納得。
「咲良ちゃん何でここに!?」
「へへへ〜」
「なるほどね。私達の行動なんて、この子からしたら筒抜けよね」
「「あ…」」
咲良はモチだもんね。
「杏ちゃんの事が気になっちゃって、私も来ちゃった!」
「ちなみに、私は何も言ってないからね」
あえて言わなかったらこうなったよね。
「私も温泉旅行参加してもいい?ダメだったら帰るし!」
「そんなこと言ってるけどさ~、参加する気満々じゃ~ん?」
「翔君の言う通り!勝手に参加しま~す!!面白いことが起きそうだしね!」
面白い事?
咲良は何をたくらんでいるんだろ。
しかも私の方を見てニヤニヤしてるし。
「部屋とかは大丈夫なの?」
「もちろん大丈夫!みんなと一緒だよ」
手続きも終わってるのね。

