「僕は喧嘩は出来ないし、かと言って健みたいにハッカーは出来ない。でも、龍神には入りたかったから、亡霊でもいいから龍神の役に立ちたいってお願いしたんだよね。そしたら響希が承諾してくれたんだ」
なるほどね。
「矢田君の役割ってなんなの?」
「コミュニケーション能力を活かして、情報を収集する事かな。例えば、転校生とかね。だから、わざと席を隣とかにしてるよ」
あ、なるほどね。私は矢田君の後ろの席で、咲良は左隣だし。話もどんどんかけてきてくれた。そういうことだったのか…気づかなかった。
「矢田君凄いね、全然気が付かなかったよ」
「そう言ってくれると嬉しい。
…だから、僕が龍神なのを見抜いた原さんは、菅野さんの知り合いなのを含めると、モチ本人しかありえないと思ったんだ」
「矢田君、お見事だね!私は“モチ”だよ!驚いた??」
ガチャンッ
「マジですか…」
「こーんな可愛い子が」
「凄い凄い…凄い」
「本当、人は見かけによらないわね」
「…」
皆、驚きを隠せないみたい。
健は衝撃的すぎてパソコンを落としちゃったし、響希に関しては無反応のようで、口がポカンと開いている。

