「矢田、ここにいる時点で予想はつくけど、その根拠は?」


「……僕が…」


矢田君はチラチラと私の方を見ている。
何で?私がいると言いずらいの?



「矢田 静也。誰とでも仲良くなれるタイプで、コミュニケーション能力が高い。だから、龍神とかの暴走族の人達とも、普通に話す事が出来る。
しかし、その振る舞いは罠」


咲良が矢田君の自己紹介を始めて、ものすごく気になる発言をした。


「…罠?」


実はスパイでしたとか?
ん?でも、龍神とかで情報は管理してるって言ってたよね?



「え、杏ちゃん知らないの!?」



「…うん」



「…矢田君は龍神のメンバーだよ!」



龍神のメンバー?龍神!?


「…え、矢田君それは本当なの?」


「…菅野さん、ごめんね。騙してたつもりじゃないんだ。僕は、龍神の幹部だよ」


「そ、うだったんだね。気づかなかったよ」


驚いた…。


「僕ね、ちょっと特殊でさ、僕が龍神のメンバーなのは幹部以上の人じゃないと知らないんだ。下っ端は僕の事を一般人だと思い込んでるし」



「どう特殊なの?」


想像がつかない。