「…貴方こそ、私に気安く触らないでよ。今は、杏ちゃんと話してるの。邪魔をしないで」
「…それは今じゃない。お前は何者だ。さっきから明らかに変なんだよ」
「はぁ?私は転校生だよ」
バチバチしてる咲良と響希のやり取りを、クラス全員が注目している。
先生はと言うと、とっくに教室から逃げていった。
黒板には自習って書いてあるし。
「取り敢えず、場所を変えるわよ。ここじゃぁ、マズイわ」
確かに、そうした方がいいね。
龍神と咲良は教室を出て屋上へ向かう。
私も後をついていかないとね。
咲良は屋上へと向かったかと思ったら、いきなり戻ってきた。
どうした?
ん?矢田君の所に向かってる?
咲良は矢田君の所まで行き、矢田君に何か耳打ちをした。
ガタッ
矢田君は血相を変えて教室を出ていった。
咲良は口角を上げてニコニコしている。矢田君に何を言ったんだか…。
「じゃ!屋上へ行こう!」
「ちょっ、咲良」
咲良は私の手を取り、走り出した。

