「よろしくね!矢田君!」
「あ、うん。よろしく原さん」
あぁ、アウトだよ。龍神はともかく、矢田君も何かがおかしい事にきづいてる。
空席だったからかもしれないけど、今日は休みが多いのか、いくつか空席があるし。
「……それと!」
咲良は自分の席に座ることはなく、私の席の目の前で止まった。
あ、ヤバいかも。
ガタン!!
「「!?」」
咲良は私の胸ぐらを勢いよく掴んで私を立たせた。
やっぱりね…。
この状態を誰が想像しただろうか。
可愛いツインテールの女の子が、誰かの胸ぐらを掴むっていうね。絶対に私だけだね。
「ねぇ、私が来ないとでも思った?」
一言目がそれはヤバいって。
「…はぁ、やめて咲良」
ガッ
響希が咲良の腕を掴んで、私から離した。
「お前、何者だ?気安く杏に触るな。てか、いきなり胸ぐら掴むとか、何考えてんだ」
やっぱりね。
うわーーーー、響希は冷静ではいるけれど、完全に怒ってるよ。
響希以外も同じで、敵意剥き出しなのが分かる。

